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評価(重心動揺)

重心は、身体の質量を一つの点としたときに次の3つの要素で規定されます。

・身体があらゆる方向に自由に回転しうる点

・身体各部の重量が相互に平衡である点

・基本矢状面、基本前額面および基本水平面の3面が交差する点

静止立位では、人体の重心は骨盤内の仙骨のやや前方に位置しています。

(中村隆一他著:基礎運動学第6版補訂,P348,医歯薬出版,2012)


真っ直ぐ立っていても心臓の動きや呼吸運動によって、重心は動揺しています。

静止立位でその重心から鉛直下向きに降ろした線と床との交点を足圧中心といい、

この足圧中心の変化を測定すると、重心の水平方向の変化が分かります。

重心動揺検査は耳鼻科などで受けることができます。検査機器はアニマ株式会社様が有名で、詳しくはそちらのホームページをご参照ください。https://anima.jp/


当施設では重心動揺を可視化する方法として、任天堂のバランスWiiボードを重心動揺計として利用しています。総軌跡長や矩形面積などのパラメーターを処理するプログラムも公開されているようですが、私は画面上での揺れ幅などを参考としています。




重心動揺は小さいほうが優れていると思われがちですが、

ある程度揺れていても、自分で修正ができ、支持基底面内に収まっていれば問題ありません。人形を立たせると全く動揺しないのと比較すると分かりやすと思います。

支持基底面とは両足の外周で囲まれた領域のことです。

この領域から足圧中心がはみ出すと転びますので、

はみ出さないように足圧中心を元に戻すか、

足を踏み出して新しい支持基底面を作るかが、”バランスを保つ” ことになります。

杖を突くと両足と杖を突いた位置で囲まれた領域が支持基底面となり、

両足よりも広い支持基底面となります。だから転びにくくなりますね。

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